認知科学と人工知能最終課題
最終課題
はじめに
私たちは,様々な要因に影響を受けながら,問題を遂行する。
例えば,ただ早く,手っ取り早く問題解決を終えてしまおうと考える場合もあれば,逆に少し時間がかかってもよいので,その問題をより深く理解しようと,じっくり考えて解こうとする場合もある。
また,問題を解くにあたって,大きな手助けを受けることができる場合もあれば,それらの助力なしに,単独で遂行しなければならない場合もある。
今回は,いくつかの状況を設定し,その状況下における問題解決の特徴を明らかにすることを目的として,実験に参加していただいた。
実験課題
課題は,オセロである。オセロは,より一般的にはリバーシと言うゲームに属するもので,世界中で広く親しまれている課題である。
参考
実験の概要
実験では,練習に続き,コンピュータプログラムと,オセロを10ゲーム行っていただいた10のゲームにおいては,3つの要因に関して,以下のような状況が設定されていた。
(1) 支援要因
問題を遂行するにあたって,受けることができる支援に関して,以下の2つの条件が設定されていた。
- 支援なし条件: 半分の参加者は,自力でゲームに臨んだ。
- 支援あり条件: もう半分の参加者は,コンピュータエージェントが,最適手(もっとも良い手)を,以下のように赤いマス目で教示した。ただし,参加者はエージェントが教示する手を,必ずしも打つ必要はなかった。
(2) 目的要因
ゲームを行う目的に関して,以下の2つの条件が設定されていた。
- 発見条件: 「このゲームの目的は,ゲームに勝つことが目的ではありません。目的は,どうしたら相手に勝てるかの「作戦」(手の打ち方)を発見することです」と教示されていた。
- 遂行条件: 特に教示はなく,ただ問題に取り組んだ。
(3) 石要因
10ゲームのうち,半分の5ゲームは通常のオセロと同様に,黒と白の石が用いられた。もう半分では,黒石の替りに「臼」という文字の石が,白石の替りに,「白」という文字の石が用いられた。
ログデータ
以下の2つのログデータについて分析せよ。
- 1手当たりの平均時間
参加者(プレーヤ)が,1手を打つために要した時間の平均値
- 盤面支配率
ゲーム終了時に,参加者(プレーヤ)の石が全体を支配した割合。すべて自石となった場合には,1,すべて相手の石となった場合には,0の値を取る。
ログデータは,以下からダウンロードせよ。
なお,学籍番号を6で割り,割り切れる人はdata0を,1余る人はdata1を,というように,それぞれ自分に対応するデータを分析すること。データは同一であるが,表の構造がそれぞれ異なっている。
レポート
- 形式
レポートは,次の形式で記述下さい。
- 表紙
表題・学部・学籍番号・氏名
- 目的
本実験の目的を,このホームページなどを参照してまとめる。
- 実験方法
実験の方法を,このホームページなどを参照してまとめる。
- 結果
ログデータを分析し,その結果をグラフで示す。複数の結果が示されることが望ましい。
- 4. 1 分析結果1(グラフの提示・簡単な説明)
- 4. 2 分析結果の考察
- 4. 3 分析結果2(グラフの提示・簡単な説明)
- 4. 4 分析結果の考察
…
- その際,結果を議論するにあたって,もっとも適切な表現のグラフを描画することを考えなさい。以下の3要因グラフの書き方を参考にしなさい。
- data0.xlsxからdata5.xlsxの,どのファイルを分析したかを明示しなさい。
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3要因の棒グラフの書き方は,以下を参考にしなさい。上段のような形の表を作り,その表全体を選択して縦棒グラフを作ると,下段のようなグラフができる。
総合考察
最初の目的に述べた点に関して,どのような結論を導けるか。それに関連づけて,全体を通して,わかったこと,考えたこと,予測できることなどを総合的に検討せよ。
提出期限・方法
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期限: 8月2日(日)16:30
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レポートをNUCTサイトにアップロードすること。