予期しない現象の原因同定に加齢が及ぼす影響

350703167  田嶋あゆみ

論文要旨

トラブルシューテングをはじめとして,システムから予期しない出力が得られた時に,システム利用者はその原因を同定しようとする.先行研究では,大学生を参加者とした実験が行われた.本研究では,同じ課題を用い,同じ状況を設定する中で,高齢者を対象とした実験を行い,予期しない現象の原因同定に,加齢がもたらす影響を検討した.トランプカードマジックの一つである,「スリーカードモンテ」のトリック推論を,高齢者に課し,先行研究である若齢群のパフォーマンスと比較した.その結果,最終目標であるトリックの発見,およびそのプロセスにおいて,高齢者のパフォーマンスの著しい低下が認められた.その要因として,認知機能の影響が考えられた.一方,高齢者の二人一組での協同問題解決を行ったところ,トリックの発見,およびそのプロセスにおいて,パフォーマンスの向上が認められたが,若齢群のそれには及ばなかった.パフォーマンスの向上は,対話による相互作用によりもたらされたものと考えられる.  以上のことから,予期しない現象の原因同定において,加齢によるパフォーマンスの低 下が認められたが,協同で取り組むことで,その低下をある程度補完することができるこ とが示唆された.